世に数多（あまた）ある食べ物の中で、【いつもと変わらぬ味】というヤツがある。


【いつもと変わらぬ味】というコトは、【期待を裏切らない味】とも言えるだろう。


【期待を裏切らない味】とは、【安定感のある味】と言い換えても、差し支えはない。


そういった【ブレない味】を、常に提供してくれるのが、チェーン店である。


【ラーメン】は、人によってハッキリと好みが別れる食べ物だ。


そうなると【ラーメン】は、ハズレを引く可能性の高い食べ物でもある。


【お金を払ってマズいモノを食う】、このような事態は、なるべくなら回避したいものだ！


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ラーメン食いたいけど、ハズレを引きたくないなぁ……うーん、今日は無難にいっとくかあ！
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こんな心境の時、私が決まって利用するラーメンチェーン店が、『幸楽苑』である。


『幸楽苑』は私にとって、ラーメン界の【駆け込み寺】のような存在だ。


『幸楽苑』なんて、字面だけ見ると何だか焼肉屋のようだが、れっきとしたラーメン屋である。


また、厨房で角野卓造が中華鍋を振るったり、えなりかずきが注文を聞きにくるような店でもない！


それは、『渡る世間は鬼ばかり』に出てくる中華料理店『幸楽』で、私が言うのは『幸楽苑』だ！！


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本日は、【あっさり中華そば ミックスランチ】というメニューを頼んでみた。


ラーメン・餃子・チャーハン、ご存じ【ラーメン屋 御三家】が一堂に会するメニューだ。


中華そばは、あっさりとした醤油味のスープに、縮れた太麺が浸かっている。


やっぱり、ラーメンは太麺に限ると、私は思う。


細麺では食べた気がしないし、中太麺では少々物足りなさを感じるし、極太麺ではウドンを食べているようで、しっくりとこない！


それに、『ラーメンには太麺がよく似合う』と太宰治も言ってるし……って、言ってナイ、言ってナイ！


ラーメンの具は、以下のようなラインナップだ。


チャーシュー、海苔、メンマ、ネギ、三つ葉、ナルト。


いや、最後のナルトは、近頃のラーメン屋では、とんと見かけなくなった具であるが、【中華そば】と謳うからには、ナルトは必要不可欠であろう！


昔のラーメンには、当たり前のように入っていた練り物だが、現代ではその姿を消しつつある。


10年後には、ラーメン雑誌の中で、ナルトを取り上げた特集記事が掲載されるかもしれない！

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特集：【あの具材は今……】。絶滅の危機に直面するナルト氏が、本誌インタビューに、苦しい胸のうちを激白！！


昔はさあ、チャーシューとか海苔とかメンマたちと仲良くやってたのよ。

オレの運が傾きだしたのは、味玉がしゃしゃり出てきた頃だね。

あいつ見た目が旨そうじゃん！

オレなんかさあ、オシロイ塗りたくって、ピンクのうず巻き入れてるだろ。

そりゃ、ビジュアル的にも味の面でも、勝てっこナイって、味玉に。

ラーメン屋から駆逐されたのも、味玉のせいだと思っているよ、オレは！

えっ、今ですか？今は、流行らないラーメン屋で、細々とやってますよ……。
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ナルトの復活を、切に望む私である。


さて、中華そばの脇に控えるのは、六つの小ぶりな餃子と、半チャーハンだ。


中のアンが、キャベツ・挽き肉・ニラで出来ている餃子は、ほんのりと甘みを感じる、さっぱり系のギョーザである。


半チャーハンは、味もさることながら、このパラパラ感がとても良い！


「ラーメンにハズレはあっても、チャーハンにはハズレなし」、これラーメン屋・中華料理屋の七不思議である！


ラーメン・餃子・チャーハンは、いずれも期待を裏切らない、いつもと変わらぬ味であった。