映画『怒り』について
40代後半  愛知県
2016/10/10 7:53
映画『怒り』について
昨日、邦画『怒り』を観てきました。

まずは、この映画のあらすじを、簡単に記しておきたいと思います。

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ある夏の暑い日、東京八王子の住宅街で、夫婦の惨殺死体が発見される。

夫婦を殺害した犯人は、捜査の網の目をかいくぐり、行方をくらます。

犯人に関する有力な情報が得られぬまま、一年という歳月が経過してしまう。


ここから、千葉・東京・沖縄の三ヵ所において、別々の物語が同時進行していく。


●千葉の漁港で働く槙洋平は、突然家出をした娘の愛子が、新宿歌舞伎町で風俗嬢をしている事をつきとめ、家へ連れ戻す。

愛子は、自分が不在の間に、この漁港町へふらりとやって来た、素性の知れない男田代哲也に、段々と惹かれてゆき、やがて恋仲となり、共に暮らし始める。


●東京の大手通信会社に勤めるエリートサラリーマンの藤谷優馬は、ある夜、新宿のゲイクラブで、大西直人という気の弱い青年と出会い、一夜の契りを結ぶ。

優馬は、寝泊まりする場所の無い直人を拾い、自分のマンションに住まわせ、協同生活を開始する。

優馬から色々と質問されても、自分の事については、あまり多くを語らない直人。

だが、直人と暮らすうちに優馬は、彼の優しい人柄に惹かれてゆき、謎に満ちたこの青年を愛し始める。


●母親が男と問題を起こし、夜逃げ同然で内地から沖縄の離島へ移り住んできた、高校生の小宮山泉。

ある日、泉は、同級生の知念辰哉が操縦するボートに乗り、 とある無人島まで出掛けてゆく。

ひとり島内を散策する泉は、ここでバックパッカーの田中信吾と遭遇する。

気さくな性格の田中に、たちまち好意を抱く泉。

こうして、日本各地を渡り歩く得体の知れないバックパッカーと、二人の高校生との奇妙な交流が始まるのであった。


ある日、「八王子夫婦殺害事件」に関する番組がテレビで放映される。


公開された犯人の顔写真や身体的特徴から、「自分の愛する人が殺人犯ではないか」と疑う、愛子と優馬。


その人当たりのよさから、周囲の人間たちに何の疑念も持たれない田中。


田代哲也・大西直人・田中信吾、いずれも素性の知れない三人の男たち。


はたして、あの凶悪な事件を起こした犯人は、三人の内の誰なのか?

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優れた演出と巧みなストーリー展開によって、三人のうちで誰が犯人なのか、映画の終盤になるまで分かりませんよ。


私の個人的な見解なので、間違っているかもしれませんが、この映画は、「人が人を信じることの難しさ」を、テーマの一つにしているのでは、と思いました。


「愛する人が犯人ではないか?」と、猜疑心を抱いたことで、大切な人を失いかけた女。


「愛する人が犯人だった」と、誤って思い込んでしまい、本当に大切な人を失ってしまった男。


見せかけの人当たりの良さだけで、その人物をスッカリと信用してしまい、それがために癒えることの無い傷を心に負ってしまった少女と少年。


〇人を信じ抜くことの困難さ

〇不用意に人を信じてしまうことの危うさ


こんな事を、この映画では、伝えたかったのかなぁ……なんて思います。


兎に角、俳優陣全ての演技が素晴らしかった!


特に、狂気をはらんだ森山未來の演技は、圧巻です!日本アカデミー賞の助演男優賞、あんたで決まり!!


思わず目を背けたくなるよう描写が、ちょこちょこありますが、絶対に観て損の無い映画です!


ハズレたらすみませんが、この映画、たぶん日本アカデミー賞で、作品賞と監督賞を獲りますよ、たぶんね!











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