ダッチベイビー&クラウドブレッド
40代後半  愛知県
2017/03/27 19:03
ダッチベイビー&クラウドブレッド
大須の万松寺通り商店街に、紅茶とデザートの専門店『カリーノオルソ』と言うカフェが、今年の2月にオープンした。


店名の『カリーノオルソ』とは、イタリア語で【かわいいクマさん】と言う意味である。


今回は、このお店が提供する二つの珍しいスイーツをご紹介したい。


こんなメルヘンチックなお店に、むくつけきオヤジがお一人様で入店するのも、何だか気後れがしてしまう。


やはり、お供が必要である!


なろうことなら、この【かわいいクマさん】と言う名前に相応しい、チャーミングな女性が一緒であれば、申し分は無かろう。


太宰治もこう言っているではないか、「スイーツ店には可愛い女の子がよく似合う」と……(言ってない、言ってない)


そこで、私の掲示板の書き込みを見てメールをくれた、花の女子大生と共に、おとぎの国へ足を踏み入れる。


私は、いわゆる「スイーツ男子」と言うヤツで、甘いものには滅法目がない。


ここへ来たのも、お目当てのスイーツがあるからだ!


それは、【ダッチベイビー】と【クラウドブレッド】と言うスイーツである!


彼女と相談して、ダッチベイビーのチョコバナナをそれぞれ一皿づつ。そしてクラウドブレッドを一皿頼んで、シェアすることに決めた。


飲み物は、広島県福山市産の有機無農薬の食用バラを使用した「バラティー」を注文する。


私は、ふと疑問を感じて、真向かいに座る女子大生に、こんな質問をした。


「ダッチベイビーって、ドイツ風のパンケーキなのに、なんでダッチって言うんだろう?ダッチって、オランダのことでしょ?」


まだ起きて間もないという彼女は、頭上に大きな疑問符を浮かべながら、困惑気味にこう答えた。


「さあ……どうしてなんでしょうかね?」と。


数秒間の沈黙の後、突然彼女が、こんなことを言い出した!


「あっ!?ハートの形だっ!!」


彼女の視線は、お冷やの入ったグラスに注がれている。


ふと、グラスの中へ視線を落とすと、水の中にハート型をした氷が二つ、ぷかぷかと浮かんでいた。


やっぱり、女の子は見るべき所が、野郎とは違うのであろう。


お冷やの氷が、ハート型とはニクい演出である!


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●ドイツ生まれのスイーツなのに、『ダッチベイビー(オランダの赤ちゃん)』とはこれいかに?


●名古屋発祥の麺類なのに、「台湾ラーメン」と言うがごとし。

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胸のうちで、こんな無理問答をしている私であった……。


まあ、ダッチベイビーの名前の由来は、ここの店員さんに尋ねることとしよう!


そうこうする内に、クラウドブレッドとダッチベイビーが、我々のテーブルへと運ばれてきた。


ダッチベイビーとクラウドブレッドについて質問する私に、黒いベレー帽を被った長身のイケメン店員さんが、丁寧に説明をしてくれた。


「ドイツ人は、自分たちのことをダッチと言うんです。ですから、自分たちの赤ちゃんにも食べてもらいたいとの願いを込めて、ダッチベイビーと名付けたんですよ」


「クラウドブレッドは、ニューヨークのセレブの間で流行っている食べ物なんです。小麦粉を一切使わない、グルテンフリーのパンなので、ダイエットにも効果があるんですよ!有名な話だと、あのレディー・ガガも、このクラウドブレッドを食べて、ダイエットに成功したそうです」


一時期、激太りしたガガ様も、ポーカーフェイスで、このクラウドブレッドを黙々と食べ続けたのであろうか?


さらに、店員さんの説明によると、クラウドブレッドを提供する店舗は、県内ではここ『カリーノオルソ』だけのようだ。


まず、クラウドブレッドから頂くことにしよう!


その名の通り、クラウド(雲)のように表面がモコモコとした、円形のパンである。


これにバターを塗り、メイプルシロップをかけて食べるのだ。


卵・クリームチーズ・砂糖・ベーキングパウダを使用して作られたクラウドブレッドは、モチモチとした面白い食感である。


パン自体に余計な味がないので、バターとメイプルシロップを足すことによって、このパンの旨さが際立ってくるのだ。


さて次は、ダッチベイビーである。


輪切りのバナナにチョコレートソースのかかったダッチベイビーも、不思議な食感であった。


例えるならば、シュー生地とクレープとワッフルを合体させたような、サクサクとしてモチモチっとした食感である。


半円形に隆起した部分を見ると、まるでボンネットタイプのベビーキャップを被った赤ちゃんのようにも見える。


では、紅茶の専門店が自信を持って提供する、バラティーを頂いてみよう!


まずもって、紅茶の器が洒落乙である!


ティーポットとカップとソーサーは、いずれも透明なガラス製だ。


ぞんざいな扱い方をしようものなら、直ぐに砕けてしまいそうな、美しくも儚い器である。


ポットの底に沈むバラの花弁が開くと、ちょうど飲み頃となる。


ポットに両手をそえて、恐る恐るガラスのカップへ、淡いピンクに色付いた紅茶を注ぐ。


薔薇の良い香りを放つピンクの液体に、一匙分のバラジャムを落とす。


ジャムの上品な甘さとバラの香りが、口中で広がる、とても美味しい紅茶である。


美味なる紅茶と珍しいスイーツを、美女と共に味わった、有意義なる休日のひと時であった。
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