肉全部カレー
先日、大名古屋ビルヂングの地下1階にある『もうやんカレー』へお邪魔してきた。
1997年、東京は西新宿で産声をあげた『もうやんカレー』は現在、東京で8店舗を展開する、人気のカレー専門店だ。
東京都以外の都道府県では、名古屋が初の出店となる。
この『もうやんカレー』の創業者は、かつてスポーツトレーナーであった。
ある時、「体にすこぶる良いカレーを作ろう」と思い立った彼は、自分を実験台にして、【健康になるカレー】の研究に励んだ。
苦労の末に開発したカレーを、西新宿の第一号店で提供し始めると、「ここのカレーを食べると、本当に元気が出る」とたちまち評判となった。
余談ながら、【遊戯王】という人気のカードゲームがあるのをご存じだろうか?
ゲームで使用されるカードの中に、ライフポイントの回復アイテムとして、「モウヤンのカレー」という魔法のカードがある。
この魔法のカードのモチーフとなったのが、『もうやんカレー』なのだ!
【もうやんカレー】が、いかに体に良いかは追々述べるとして、まずは料理をたのみたい。
メニュー表にざっと目を通してみると、お昼は、おかわり自由のランチビュッフェ(税抜き1000円)をやっているようだ。
私はこの日、19時過ぎに入店したので、カレーを単品で注文することにした。
牛・豚・鶏、「お肉の御三家」がトッピングされている、その名も『肉全部カレー』を注文する。
お値段は、税抜きの1300円也。
カレーを注文すると、以下のものが無料で付いてくる、セルフサービスで。
〇蒸かしたジャガイモ(一人2個まで)
〇コーヒー
〇ルイボスティー
〇薬味(玉ねぎのピクルス・スモークたくわん)
いやいや、「蒸かしたジャガイモ、一人につき2個まで」って……
戦時中の米の配給じゃないんだから……去年、映画館で観た『この世界の片隅に』のすずさんを思い出してしまうわ!!
話を元にもどす。
注文の際に、ルーの辛さとご飯の量は、お好みで選べる。
ルーの辛さは、20辛まである。
甘口の次が、0辛(中辛)となり、5辛が通常のカレー屋さんの辛口に相当する。
10辛が大辛となり、終いの20辛が激辛となる!
私は、中辛(0辛)の普通盛り(ソースが200ccで、ご飯が300g)を頼んだ。
店内にながれる大音量のBGMは、沢田研二の『カサブランカ・ダンディ』や田原俊彦の『君に薔薇薔薇…という感じ』など、いずれも昭和歌謡の名曲・ヒット曲ばかりである。
『ザ・ベストテン』世代の私にとっては、とても懐かしくて、涙が出そうになるのだが……。
ふと店内を見渡してみると、客層の大半が20代の若者たちである!
彼ら彼女らは、こんなレトロな曲を聴かされて、どんな感じなんだろか?
田原俊彦の『君に薔薇薔薇…という感じ』を聴いて、「斬新…という感じ」なのか、はたまた「古臭い…という感じ」なのか、ここに居る若者たちにぜひ聞いてみたいものだ!
さて、「肉全部カレー」が、私の目の前に運ばれてきた。
カレーのソースは、大量の野菜と果物をじっくりと煮詰めた上に、漢方薬膳のオリジナルスパイスまでもが加えられているのだ!
また、小麦粉は一切使用していないため、グルテンフリーで体に優しいカレーである!
ご飯は、「五分づきライス」というもの。
五分づきライスとは、ヌカと胚芽が50%以上残っているお米のことで、白米と玄米の中間ということになる。
白米と比較すると五分づき米の方が、栄養価も高く、繊維質も多い。
何でも、ここのカレーを食べると、お通じが良くなるそうだ!
大量の野菜と果物で出来上がっているソースは、素材の持つ旨みと甘みが凝縮された、私好みの味である。
そう、体に良いばかりで、美味しくなければ意味がない!
個人的には、大好きなソースだ!
とろける豚バラと和牛のホホ肉は、トロトロの食感で申し分なし。
鶏肉は、味噌・甜麺醤・オイスターで味付けしてあるのだが、濃厚なカレーソースによって、その味付けの意味を失っているように思われる。
五分づきライスは、普通の白米と比べると、やや味は劣ってしまう。
わがままを言うならば、このソースを白米にかけて食べてみたいものだ。
薬味のスモークたくわんと玉ねぎのピクルス。
どちらも悪くはないのだが……私としては、甘酢で漬けたラッキョウや定番の福神漬けの方が、カレーには合うような気もするのだが……どうだろう?