寝台特急《北斗星》遥かなる旅路1 (さすらい旅情編)
50代前半  千葉県
2015/03/12 7:08
寝台特急《北斗星》遥かなる旅路1 (さすらい旅情編)
とある日の事。


私は朝からそわそわしていた。


そう、今日は寝台特急北斗星に乗車する日。


夕方に、身支度し少し早いけど、上野駅に向かった。


上野駅地平13番ホーム。


いわゆる、《トウサンバン》だ。


18時40分頃、


『トウサンバン~トウサンバン~回1列車接近』


業務放送があり、尾久からの推進回送列車が入線してきた。


上野駅は、機関車の付け替え線が無いため、尾久からわざわざバックしてやって来る。


入線後ほどなくして、自分の個室寝台に荷物を置いて先頭の蒼い機関車に向かった。


機関車では多くの乗客やら、鉄道ファンの人が盛んにフラッシュをたいていた。


記念撮影をしている親子。


交互に撮りあってるカップル。


時おり、機関車の放熱ファンの音がホームに響く。


写真を、撮っているのも束の間、出発時刻となった。


私の今日の寝床はB寝台のソロ。


軽い衝動を伴いながら、列車は静かに滑るように発車した。


開け放った個室のドア越しに、左側のホームを見ると手を降るファンの人たち。


羨ましそうにこちらを見ている。


缶ビールを開け、車窓を眺める。


《ハイケンスのセレナーデが流れる》


『皆様、この列車は札幌行きの寝台特急・北斗星号でございます。本日は御乗車頂き、真にありがとうございます。列車は定刻通りに発車しました。これから、停まります停車駅と時刻をお知らせいたします。大宮19時○分、宇都宮・・・終点の札幌には、明朝の11時○分の到着です。』


並走する京浜東北線の車内の人と目があった気がした。


あちらは、日常を過ごしてる。


こちらは、非日常を過ごしてる。


満員電車の脇を、エレガントな寝台特急が静静と、進んで行く。


程なくして、最初の停車駅の大宮に着いた。


ホームにはやはり、帰宅中の客でごった返していた。


カーテン越しにホームを一瞥する。


スマートフォンを操作しながら、写真を撮る人。


まるで、無関心にうつむいている人々。


列車に指を指して興奮している高校生のグループ。


皆それぞれ、目の前の珍客と、対峙している。


大宮を発車した頃には、一本目のビールを飲み終え、二本目を開けた。


今日は食堂車の予約はしていない。


パブタイムが始まるまで時間をもて余すな。


宇都宮を、過ぎた辺りで食堂車より案内が入った。


『食堂車グランシャリオより、パブタイムのお知らせです。食堂車グランシャリオでは、21時よりパブタイムの営業を開始します。軽食類やお酒を御用意して皆様のお越しをお待ちしております。』


NREスタッフの節回しが心地よい。


パブタイム開始前に結構酔ってしまった私は、いつの間にかに寝てしまったようだ。


カーテン越しに車窓を見ると、闇しかない。


下の方を見ると、地面は白く雪がある。


雪が列車からの明かりを反射している。


時計を見ると、すでに日付は変わっている。


そろそろ、青森県に入るな。


再び、うとうとした私が次に起きたのは、マグネシウムライトの明かりの下に、テールランプを片方だけつけた赤い機関車を見た時だった。


そう、列車は青森駅にゆっくりと入線していた。


続く。





















コメント不可

…━…━…━…

無料会員登録はコチラ

…━…━…━…